先に正直に書いておきます。これは「できました」という報告ではありません。
さっき、ふと「名刺交換 3.0 ができるかもしれない」と思いついただけの話です。まだ形にはなっていません。うまくいくかも分かりません。だからこれは、完成の宣言ではなく、思いつきをそのまま書き残しておく、模索の記録です。
名刺というものに、わりと長いこと違和感を持っていました。もらっても、なんだか活用できた感じがしない。そして何より、遊び心が足りない。その引っかかりを、自分なりに少しずつ動かしてきた経緯と、いま浮かんだばかりの構想を、順番に書いてみます。
もらった名刺が、活用できた感じがしない
名刺交換って、どこか儀式みたいになっていると思うのです。
会って、差し出して、受け取って、しまう。そこまでは滑らかなのに、もらった後のことを思い返すと、ほとんど見返していない。連絡先が載っているだけで、関係も記憶も、そこからあまり動かない。そういう名刺が、自分の引き出しにもたくさんあります。
別に、相手が悪いわけでもないし、名刺が悪いわけでもありません。ただ、情報が一方通行で載っているだけだと、こんなものか、で終わってしまう。そして何より、そこに遊び心がない。せっかく人と人とが出会った最初の一枚なのに、もう少し面白くできないのかな、というのが、ずっと頭の片隅にあった引っかかりでした。
v1.0 ― 裏に、自分の作ったものを載せた
会社をやっているので、あるとき初めて、自分で名刺を作ることになりました。
そのとき思ったのが、肩書きや連絡先を並べるだけじゃなくて、裏に「当時自分が作っていたもの」を載せたい、ということでした。役職を書くより、自分が手を動かして作ったプロダクトを見てほしかった。これが私です、というより、これを作っています、と言いたかったのだと思います。
ただ、振り返ると、これはまだ「見せる」で止まっていました。こちらが伝えたいものを裏に置いただけ。相手の手は、そこに何も入っていない。一方通行であることは、表でも裏でも、あまり変わっていなかったのです。それが、次への宿題になりました。
v2.0 ― 相手が書き込める、穴埋め式の裏面にした
きっかけは、ちょっとした観察でした。
ある人が、私の話を聞きながら、その名刺自体に何かメモを取っていたのです。それを見て、「これだ」と思いました。名刺は、渡して終わりの紙じゃなくて、相手が手を入れられる余白があっていいんじゃないか。
そこで次に作った名刺では、裏を「私と、そのとき話したこと」を相手が書き込める、穴埋め式のデザインにしてみました。たとえば裏面には「自由に書き込もう。○○との話をした。○○と仕事をしましょう。」と、空欄つきで刷ってあります。何を話したかを、その場で書き留められる。後で名刺を見返したときに、ああこの人とこんな話をしたな、と思い出してもらえたら――そんな仕掛けです。一方通行だった名刺に、相手の手が入る余地を、ようやく少しだけ作れた気がしました。

v3.0 ― いっそ「トレーディング名刺」にできないか(まだ思いつき)
そして、さっき思いついたのが、ここからの話です。
v2.0 で穴埋めにしてみて、それでも心のどこかで欲しかったものがあります。書き込んでもらった後に、「あれ便利でしたよ」みたいな返事がもらえたら嬉しいな、とか。あるいは、もらった人がまた別の誰かと「交換の交換」をしてくれたら面白いな、とか。情報を渡すだけでなく、その先で何かが動いてほしい、という欲が、まだ満たされていなかったのです。
それで、ふと思いました。いっそ、ゲームみたいにできないか。
トレーディングカードって、欲しくなるじゃないですか。集めたくなるし、誰かと交換したくなる。あの「欲しい」と思われる感じを、名刺に持ち込めないか。名刺を、ただの連絡先ではなく、いわば「トレーディング名刺」のようなものにできないか――そんな思いつきです。
ただ、ここははっきり書いておきます。これは「できた」のでも「実現した」のでもありません。さっき頭に浮かんだばかりで、まだ何も形になっていない。どう作れば「欲しい」と思ってもらえるのか、そもそもうまくいくのかも、まだ分かっていません。具体的にこうする、と言い切れる段階ではないのです。これから少しずつ試してみたい、という、ほんとうに入り口の構想です。
まだ、思いつきの段階です
ということで、v3.0 はまだアイデアのままです。形にはなっていないし、うまくいくかも分かりません。
それでも、名刺がもっと遊び心のある一枚になって、もらった後にも何かが残る・動くものになったら、ちょっと面白いんじゃないかな、と思っています。大層なことを成し遂げたいわけではなくて、ただ素朴に、その手前でわくわくしている、というだけの話です。
何か進んだら――いや、進むかどうかも含めて、また考えたところまでを、この場所に書き残していくつもりです。これは、いまの模索をそのまま書き留めた記録です。


