名刺交換 3.0 とは、裏面を相手が書き込める穴埋め式にした名刺(v2.0)を、もう一歩進める構想です。名刺そのものを、トレーディングカードのように「欲しい」と思われる「トレーディング名刺」にできないか、という思いつきです。この記事は、会社を営む筆者がその構想に至るまでの経緯と、いまの模索を書き残す記録です。

先に正直に書きます。これは「できました」という報告ではありません。 名刺交換 3.0 は、まだ形になっていません。うまくいくかも分かりません。思いついた内容を、そのまま書き留めておきます。

名刺には、わりと長いこと違和感を持っていました。もらっても、活用できた感じがしない。何より、遊び心が足りない。この引っかかりを自分なりに動かしてきた経緯を、v1.0、v2.0、v3.0 の順に書きます。

なぜ、もらった名刺は活用できた感じがしないのか

情報が一方通行で載っているだけだからです。そして、そこに遊び心がないからです。

名刺交換は、どこか儀式のようになっています。会って、差し出して、受け取って、しまう。ここまでは滑らかです。ところが、もらった後に見返すことは、ほとんどありません。連絡先が載っているだけで、関係も記憶もそこから動かない。そういう名刺が、私の引き出しにもたくさんあります。

相手が悪いわけでも、名刺が悪いわけでもありません。ただ、情報が一方通行だと「こんなものか」で終わってしまいます。人と人とが出会った最初の一枚なのに、もう少し面白くできないのか。それが、ずっと頭の片隅にあった引っかかりでした。

v1.0:裏面に、自分の作ったプロダクトを載せた

最初に作った名刺では、裏面に「当時自分が作っていたもの」を載せました。肩書きより、自分が手を動かして作ったプロダクトを見てほしかったからです。

会社をやっているので、あるとき初めて自分で名刺を作ることになりました。そのとき思ったのは、肩書きや連絡先を並べるだけでは足りない、ということでした。「これが私です」と言うより、「これを作っています」と言いたかったのだと思います。

ただ、振り返ると v1.0 は「見せる」で止まっていました。こちらが伝えたいものを裏に置いただけで、相手の手はどこにも入っていません。一方通行である点は、表でも裏でも変わっていませんでした。これが、次の名刺への宿題になりました。

v2.0:相手が書き込める、穴埋め式の裏面にした

次に作った名刺では、裏面を「私と、そのとき話したこと」を相手が書き込める穴埋め式にしました。

きっかけは、ちょっとした観察です。ある人が、私の話を聞きながら、名刺そのものにメモを取っていました。それを見て「これだ」と思いました。名刺は渡して終わりの紙ではなく、相手が手を入れられる余白があっていい。

裏面には「自由に書き込もう。○○との話をした。○○と仕事をしましょう。」と、空欄つきで刷ってあります。何を話したかを、その場で書き留められます。後で名刺を見返したとき、「この人とこんな話をしたな」と思い出してもらう仕掛けです。一方通行だった名刺に、相手の手が入る余地をようやく少しだけ作れました。

v2.0 名刺の裏面。相手がその時に話したことを書き込める穴埋め式デザイン

v3.0:いっそ「トレーディング名刺」にできないか(まだ思いつき)

さっき思いついたのは、名刺をトレーディングカードのように「欲しい」と思われるものにする構想です。名前を付けるなら「トレーディング名刺」です。

v2.0 を作っても、心のどこかで欲しかったものがありました。書き込んでもらった後に「あれ便利でしたよ」と返事がもらえたら嬉しい。もらった人が、また別の誰かと「交換の交換」をしてくれたら面白い。情報を渡すだけでなく、その先で何かが動いてほしい。この欲は、まだ満たされていませんでした。

そこで、ふと思いました。いっそ、ゲームみたいにできないか。 トレーディングカードは、欲しくなります。集めたくなるし、誰かと交換したくなる。あの「欲しい」という感じを、名刺に持ち込めないか。名刺を、ただの連絡先ではなく、トレーディング名刺のようなものにできないか。そんな思いつきです。

ただ、ここははっきり書いておきます。v3.0 は「できた」「実現した」という報告ではなく、さっき頭に浮かんだばかりの思いつきです。まだ何も形になっておらず、どう作れば「欲しい」と思ってもらえるのか、そもそもうまくいくのかも分かりません。「具体的にこうする」と言い切れる段階にもありません。これから少しずつ試してみたい、入り口の構想です。

いまはまだ、思いつきの段階です

v3.0 は、まだアイデアのままです。形になっていませんし、うまくいくかも分かりません。

それでも、名刺がもっと遊び心のある一枚になり、もらった後にも何かが残る、何かが動くものになったら面白い。そう思っています。大層なことを成し遂げたいわけではなく、その手前で素朴にわくわくしている、というだけです。

進んでも進まなくても、考えたところまでをこの場所に書き残していきます。これは、いまの模索をそのまま書き留めた記録です。